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かじつブログ

中学受験に珠算式暗算(そろばん式暗算)を活かせる子は「制御力」を持っている

みなさんこんにちは!かじつそろばん教室です。

中学受験の武器として、暗算力を身につけてほしい!

と考えてそろばんを始めて、ある程度暗算ができるようになったものの、

算数の計算問題、速く解けるけど間違いすぎ…

というケース、本当によくあります。


これは、当教室代表で、そろばん日本一の経験を持つ髙橋のツイートです。

この【適切なギア設定】が、暗算力の制御に当たります。


中学受験やその先を見据えて、計算力を上げたいからそろばんを習い、珠算式暗算を身につける。


これ自体はとても良い考えだと思います。


ただし、珠算式暗算は中学受験のためにあるものではありません。


身につけた暗算力を中学受験に十分に活かすためには、それをコントロールする力も必要になってきます。


この記事では、暗算力の制御が必要な理由や、どのように制御すると良いのかについて、具体的に解説していきます。


それでは早速、説明していきましょう!


※この記事の内容は、動画でもご覧いただけます。

はじめに

説明の前に、少しだけ補足します。


そろばん教室の記事ではありますが、そろばんを過度に持ち上げるようなことはしません。


また、筆算やそのほかの計算方法と比較して、珠算式暗算の優位性を示すようなこともしません。


あくまで、中学受験という分野において、珠算式暗算を活かすための考え方に絞って説明していきますので、ご了承ください。

暗算スキルの”価値”

まずは珠算式暗算の特徴について、簡単に説明します。

スキル=スピード×桁幅×正確性

・スピード
・桁幅(いっぺんに暗算できる桁数)
・正確性

※詳しくは下の記事をご参照ください。

珠算式暗算では、この3つのスキルをバランスよく上達させていくことで、検定試験の合格や、大会での上位入賞を目指していきます。


そろばんの検定試験や大会は、全問正解しなくてはならないものはほとんどありません。


このため、1割2割の問題は間違えてもOKで、それと引き換えにスピードを上げていくことも優先しながら練習していきます。

そろばんの試験と中学受験の違い

一方で、中学受験の算数における「計算問題」の位置付けは、「絶対に落としてはいけない問題」に当たります。


文章問題や難しい問題で点数の差がつくことが前提で、計算問題は、間違えないことが絶対条件です。


ということは、間違えないためなら、多少スピードを落としても丁寧に計算する、という方針を取った方が良いことになります。


つまり、珠算式暗算と中学受験では、スピード・桁幅・正確性、この3つのスキルの価値が異なることになります。

価値の違いを視覚化

違いをわかりやすくするため、グラフにしてみます。


スピード・桁幅・正確性の3つを軸に取って、中学受験で求められるレベルを表すと、下の図のような感じでしょうか。


桁幅は、中学受験の計算として出題されるのは、多くても3桁×2桁くらいまででしょう。


正確性は100%、絶対落とせないですよね。


そしてスピードは、だいたい30秒くらいでしょうか。3桁×2桁を筆算で、ゆっくり正確に計算するとなると、これくらいはかかるかと思います。


ここに、暗算検定1級合格レベルの実力を当てはめてみると、下の図のようになります。

青:中学受験レベル オレンジ:暗算1級合格レベル

暗算1級では、3桁×2桁レベルの問題20問を、制限時間3分で解きます。


暗算1級合格レベルの場合、3分かからずに2分ほどで解き終わりますので、


3桁×2桁の問題は、だいたい1問5〜6秒で解けることになります。

このレベルは、平均して3年ほどしっかり練習すれば到達できますので、決して特別なレベルではありません。
(上達には個人差があります)


このレベルの暗算ができるようになれば、中学受験で求められるスピードの5倍程度のスピードで計算できることになります。


暗算の段位を取るくらいになれば、さらに速く10〜20倍のスピードを出すこともできます。


ただ、問題は正答率です。


暗算1級の合格基準点は、100点満点中70点です。


つまり、7割しか正解できなくても、合格できてしまう。これがそろばんの検定試験のルールです。


冒頭で、3つのスキルをバランスよく上達させていく、と説明しましたが、このような検定試験のルールも考慮に入れて、実力を伸ばしていくことが大事になってきます。

暗算スキルの活かし方

活かせない子の特徴

「珠算式暗算が得意なのに、算数の計算問題を間違える」という子は、


このいびつなグラフの状態のまま、中学受験というフィールドに突っ込んでしまっているのでしょう。


それでは、暗算力を活かすどころか、正解率の低さゆえに計算問題で失点して、逆にビハインドになってしまいます。

活かせる子の特徴

では逆に、珠算式暗算を活かせる子は、どうしているのでしょう。


それは、下の図のように、自分の暗算力をコントロールしています。

緑:コントロールした暗算力

スピードを全力の約半分まで落とします。


その結果、正確性はほぼ100%になります。


なぜスピードを半分にすれば、正解率がほぼ100%になると言えるのか。


それは、半分のスピードはウォーミングアップのレベルに当たるからです。


※詳しくは下の動画で説明しています。

ウォーミングアップとはケガをしないための準備運動ですので、そのスピードで計算している限りはケガをしない、つまり間違えない、ということになります。


スピードを半分にしても、中学受験という分野での平均スピードの倍以上はあります。


計算問題に平均5分かかるなら、2〜3分は余裕ができるわけです。


このアドバンテージを活かして、他の子よりも時間をかけて、文章問題や難しい問題をじっくりと解く。


これこそが、本当の意味で「珠算式暗算を中学受験に活かす」ことだと考えます。


中学受験に限った話ではありませんが、

・身につけた実力をそのまま発揮する前に、
 一歩引いて状況を俯瞰的に見る


・その実力を制御して、どう使うかを考える

ことを大切にしていきたいですね。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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