みなさんこんにちは!かじつそろばん教室です。
かじつそろばん教室では、珠算式暗算(そろばんを頭の中でイメージして、それを動かして行う暗算)を指導しています。
ですが、一般的に暗算というと、学校で習う筆算を頭の中でイメージして暗算をおこなっていると思います。
これを、この記事では筆算式暗算と呼びます。
この記事では、珠算式暗算(そろばん式暗算)と筆算式暗算、この2つの暗算の違いについて解説します。
・子どもには、数字に強く、暗算ができるようになってほしい!
・暗算にはそろばんがいいらしいけど、筆算と何が違うの?
そう思われる保護者のみなさまに、両者の本質的な特徴をご理解いただき、
習い事としてそろばん・暗算を選ぶための判断材料にしていただけましたら幸いです。
それでは早速、説明していきましょう!
※この記事の内容は、動画でもご覧いただけます。
本質的な違いとは
珠算式暗算と筆算式暗算の違いは、以下の一言に集約されます。
「覚える数」と「ルール」の量
「覚える数」とは
「1+1は2」から始まり、「3+4は7」「6+7は13」など、
計算するために覚える数や数式のことを指します。
「ルール」とは
覚えた数をどう扱うか、という決まりのことです。
筆算式暗算では位取り(くらいどり)のルールくらいしかありませんが、珠算式暗算には、これに加えてくり上がりとくり下がりについてのルールがあります。
2つの量の関係
これら2つの量の関係は、下の図のように表現できます。
珠算式暗算の方が、覚える数は少ないですが、ルールがたくさん必要になります。
この違いにより、計算方法にどのような差が出るのか、具体例で確認してみましょう。
具体例「17+9」で解説
筆算式暗算の場合
筆算式では、1桁+1桁の組合せとその答えを覚えて、それを使って計算していきます。
「17+9」なら、まずは一の位の「7+9」の答えを、記憶から引っ張り出してきます。
(7+9は、えーっと…16だったっけ…)
そして、17の十の位の「1」に、16の「1」をたして、1+1=2、だから26、という手順で答えを導き出します。
この記憶を引き出す作業の速い遅いはありますが、
必ず覚えた数を記憶から引っ張り出すという手順を踏む、というところがポイントです。
1桁と1桁の数の組合せは、たす順番を考えないとすると、下の45通りがありますので、最低でもその答えを全て記憶する必要があります。
珠算式暗算の場合
一方で、珠算式暗算では、覚える数は「たして10になる組合せ」「たして5になる組合せ」、この2種類だけです。
順番を入れ替えたものを含めても、10の方が9通り、5の方が4通りで、合計13通りだけです。
81通りと比べて、圧倒的に少ないですよね。
ただし、これだけ覚えても、まだ計算はできません。
これと一緒に使うのが、くり上がり・くり下がりのルールです。
例えば、下のようなルールです。
そろばんは、物理的な珠(たま)の個数に制限があるため、そのままたせない場合は、このようなルールでそろばんの珠を動かします。
そろばん特有のルールは、下の4つです。
・10のくり上がり
・10のくり下がり
・5のくり上がり
・5のくり下がり
この4つのルールを覚えれば、全てのたし算・ひき算に対応できます。
先ほどの「17+9」で確認してみましょう。
- まず17をそろばんに置く。(図の①)
- 一の位に9をたしたいものの、これは「たせない9」なので、1ひいて10たす。(図の②→③)
- 答えの26が完成する。
これを頭の中で行うのが、珠算式暗算です。
珠算式暗算は、数の組合せを少しだけ覚えて、あとはルールを駆使して計算する暗算、といえます。
練習量と暗算力の関係
このような両者の違いがあるため、練習量と暗算力の関係は、一般的には下のようになります。
初めは筆算式が優位、後に珠算式が逆転
珠算式暗算では、初めにルールを覚えるのが大変ですので、なかなか成果が上がりません。
ただ、ある程度上達して、ルールをすんなりと使いこなせるようになると、この関係が逆転します。
2桁、3桁…と桁が増えても、同じルールを使って暗算することができるため、
ゆくゆくは、珠算式暗算の方が圧倒的に伸びていく傾向となるのです。
補足2点
本質的な違いの説明はここまでですが、2点ほど補足します。
補足1. 左脳・右脳のくくりは本質的ではない
「左脳は論理脳、右脳はイメージ脳であり、珠算式暗算は右脳が鍛えられる」とよく言われます。
ですが、ここまでご説明しましたように、珠算式暗算も上達の過程では論理的思考力、つまり左脳をたくさん使います。
逆に、筆算式暗算も、数や数式をイメージとして記憶している方も多いと思いますので、その場合はイメージ脳、つまり右脳を使っていると言えます。
したがって、どちらかの方が左脳または右脳をより鍛えられる、と結論づけることは難しいと考えます。
どちらの方法でも、しっかりと練習して暗算力を身につける過程では、左脳も右脳も活性化できるのではないでしょうか。
補足2. 両者の”いいとこ取り”はNG
筆算式の計算を習ってから珠算式暗算を習うと、初めの頃は筆算式が混ざった計算をする生徒を見ますが、これは得策とは言えません。
なぜなら、計算の途中で、珠算式暗算にとっての余計な思考力を使ってしまっているからです。
計算・暗算の最終的な目標は、それ自体に思考力を使わなくすること
複数の計算方法を混ぜると、どちらのやり方を使うか考える必要があるため、そこに余計な思考力を取られて、パフォーマンスが出なくなってしまいます。
せっかく努力して珠算式暗算を身につけるなら、その方法をとことん練習して、極めていきましょう。
“思考力の使い道”を意識しましょう
結果的に、暗算を速く・正確にできるようになるのなら、珠算式暗算と筆算式暗算、どちらの方法が良い悪いということはありません。
暗算のことだけを考えるのではなく、貴重な思考力をどこに使うか、
ぜひお子様の将来全体のことをお考えいただいて、そろばん・暗算という習い事をご検討いただけますと幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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