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そろばんデータポータル

【そろばん×EdTech】そろばんデータポータル(SDP)のシステム裏側をできるだけわかりやすく解説【ビッグデータ】

そろばんデータポータル_システムのウラ側公開


そろばんデータポータルのレポートの内容はわかったけれど、

  • プリントのデータ化ってどうやっているの?
  • 本当に正しく集計されているの?(適当に数字を出しているだけでは?)
  • 仕組みは作れても、ずっと続けるのは大変では?

といった疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。


この記事では、そろばんデータポータルのシステムとしての仕組みについて、できるだけわかりやすく解説していきます。

生徒の保護者のみなさまはもちろん、職場で業務システムの企画や運用を担当されている方々や、システムエンジニアの方々にとっても、何かヒントになることがありましたら幸いです。


そろばんデータポータルそのものについては、以下の記事からご覧ください。

業務要件 → システム要件

業務にシステムを導入するときは、以下の順番で検討していくことが基本です。

  1. 業務として達成すべきことは何か(業務要件
  2. 業務のどの部分をシステム化するのか/しないのか(システム要件
  3. システムとしてどう実装するのか(システム要件


概要まとめ記事にも書いたとおり、今回の「業務要件」とは、生徒たちの練習サイクルをまわし、生徒一人ひとりが最大効率で実力を伸ばすことです。

そろばんデータポータル_練習の流れ


この練習サイクルをまわすためには、①〜⑧がスムーズに行われる必要がありますが、それぞれシステム化の向き不向きがあります。

たとえば、⑧教室での指導は対人コミュニケーションのためシステム化はできませんし、③間違い方分析は現時点ではシステムによる判断が難しい分野です。

逆に、コンピュータが処理できるようにしたデータの④自動集計や、見栄えよく⑥個人レポートを作成することなどは、システムの得意分野です。

これらを踏まえて、今回の主な「システム要件」は以下に絞りました。

  • 練習データを取り込む
  • 間違い方分析データを取り込む
  • 生徒の上達に役立つためのデータを集計する
  • 集計したデータを見栄えよく表示する
  • 集計したデータを保護者と共有できるようにする


このように、システムの必要性をあらかじめ定義することにより、必要な機能のみを手戻りなく短期間で開発することができました。

アプリケーションは2種類のみ

システムで利用しているアプリケーションは、以下の2つのみです。

  • Googleスプレッドシート
  • Googleデータポータル

Googleスプレッドシート


Google社が提供する表計算アプリケーションで、データの入力や保存、集計に使っています。

同種のアプリケーションでは、Microsoft社のExcelが有名ですが、次に説明するGoogleデータポータルとの連携のしやすさから、今回はスプレッドシートを選択しました。

Googleデータポータル


さまざまなデータを視覚化してメンバー間で共有することを目的としたツールで、いわゆるBIツール(ビジネスインテリジェンス)と呼ばれるものです。

BIツールといえば、大企業が膨大なデータを分析して、分析結果を経営の意思決定に活用することをイメージしますが、

まさにそのままを、そろばんの練習サイクルに取り入れたのが、このシステムです。

日々の練習結果をビッグデータと捉えてシステムに取り込み、蓄積したデータを分析して傾向を把握できれば、練習方針を決める意思決定に活用できます。

また、Googleデータポータルにより、保護者のみなさまと同じ情報を共有できることも、このツールを選んだ理由です。


そろばんデータポータルで利用しているアプリケーションは、この2つのみです。
初めにシステム要件を整理したため、最低限の部品で作ることができました。

使う部品を少なくすることで、開発や運用を容易にするだけでなく、メンテナンス性も向上させています。

主な機能の仕組み

ここからは、システム要件に沿って開発した主な機能の仕組みをご紹介します。

練習データを取り込む

練習データの単位は「1問」です。
(級の場合、かけ・わり・みとりごとに15問あります。)

1問ごとに、以下の情報をデータ化します。

  • 解いた生徒の生徒番号
  • プリントを解いた日付、プリントの級、回、No(1〜15)
  • 問題ごとの正答、誤答、無回答
  • 誤答ごとの間違い方パターン


取り込み方法は、生徒のプリントを見て人の手で入力する、というもっとも原始的な方法です。

入力の手間が極力少なくなるように入力用フォーマットを工夫した上で、上のようなスプレッドシートに取り込みます。


文字を読み取るOCRなどもありますが、今回の仕組みではそもそも答えの数字自体をシステムで処理することはないため、採用していません。

教室では、生徒たちはプリントを解いた後、交換採点まで行っているため、目視で結果を確認しながら人手で取り込む方法がベストだと判断しました。


間違い方パターンの分類も、現時点ではシステムによる判定が難しいため、指導者による判定結果をプリントにメモするなどして、人手で取り込んでいます。

誤答した問題の、該当する間違い方パターンの列に「1」を立てていくイメージです。

練習データを集計する

上記の形で練習データが取り込まれると、各プリントの点数、スピード(何問解けたか)、正答率などが、あらかじめ設定された関数で自動集計されます。


そして、生徒の上達に役立つ集計とするには、もう1つのデータ「問題データ」が必要になります。

問題データとは、1問ごとに以下の情報を持つデータです。

  • 問題の級、回、No(1〜15)
  • どの問題パターンに該当するか

生徒が解くプリントの問題データは、あらかじめすべてシステムに入力してあります。


上の図で、タグ1、タグ2…が、問題パターンの1、2…に該当します。

さらに右の列には「123×45」といった問題そのものの数字も入力してあり、問題や答えの数字をスプレッドシートの関数で判定することにより、自動的に該当のパターンに「1」を立てています。


この問題データと、先ほどの練習データをかけ合わせることで、問題パターンごとの解答数や正答率自動集計することができるようになっています。

集計結果を表示する

集計したデータは、Googleデータポータルで表示します。

Googleデータポータルには、「データコネクタ」という機能があり、スプレッドシートのデータを簡単に取り込むことができます。

Googleデータポータルで図や表を表示するには、以下のように設定します。

  • どう表示したいかを選択する(下図)
  • どのデータを表示したいかを選択する
  • フィルタ条件をセットする

たとえば、「縦の棒グラフで、プリントごとのかけざんの点数を、生徒番号1番に絞って表示する」と設定し、若干カスタマイズすれば、このようなグラフが出来上がります。

この要領で必要なグラフや値を作成し、適切な場所に配置して、レポートの形にしています。

実際にさわれるオンラインレポートのサンプルは、こちらからご覧いただけます。
(Googleデータポータルのサイトを表示します)

レポートを関係者間で共有する

各生徒のレポートは、指導者のみでなく、生徒の保護者のみなさまにもご確認いただく必要があります。

Googleデータポータルでは、1つのレポートに1つのURLができるので、このURLを伝えるだけで、関係者間でレポートを共有することができます。
(実際は、URLではなくQRコードをつくり、教室で配付する紙のレポートに印刷してお伝えしています)


技術的には、レポートを1つ用意すれば、フィルタの機能で特定の生徒のみの情報を表示する、ということが可能ですが、

その状態で全ての保護者のみなさまにURLを共有してしまうと、全ての生徒のレポート内容が、どの保護者からも見えてしまいます。

そこで、雛形となるレポートを作ったら、それを複製して、生徒番号のフィルタのみを変更した別のレポート(別のURL)を作ることにしました。

もとのデータは1箇所にあるものの、それぞれの入り口からそれぞれのフィルタを通して見る、というつくりです。

レポートを見る側は、もとのデータ自体へアクセスすることはできませんので、データが誤って変更されることもなく、安全に情報を共有できる仕組みです。

なぜGoogleデータポータルなのか

今回のシステム開発にGoogleデータポータルを利用してみて、その機能や便利さに感動すらおぼえました。

実際に使ってみての感想も含めて、なぜGoogleデータポータルを利用したか、以下の観点でまとめます。

  • 最初に枠組みをつくるだけ
  • ビジュアルが豊富でキレイ
  • ブラウザベースの使い勝手の良さ
  • データの保全性が高い

最初に枠組みをつくるだけ

一度枠組みを設定すれば、入ってくるデータに応じて自動的に表示が最適化されます
BIツールとしては当然かもしれませんが、これは大きなメリットです。

表計算アプリケーションのみで同じことをしようとすると、データを入力して、グラフを作って、レポートに貼り付けて…という作業を毎月繰り返すことになります。

これが今後はデータ入力のみになるので、大幅に作業効率が向上します。

ビジュアルが豊富でキレイ

そもそも、Googleデータポータルは、Google広告やアナリティクスなど、Webマーケティング関連のデータを取り込んでレポート化する機能に力を入れているようです。

これらの複雑なデータを視覚化して、経営レベルの重要な意思決定に活用するためには、直感的に理解できるビジュアルが必要であり、Googleデータポータルにはこれが揃っています。

短時間で洗練されたビジュアルのレポートを作ることができるのは、大きなメリットに感じました。

インターネット上にはテンプレートも豊富にあるようなので、どの組織にもあるような汎用的な業務には、これらを活用すると良いかもしれません。

ブラウザベースの使い勝手の良さ

Googleデータポータルはブラウザベースで動く仕組みのため、レポートの共有はURLの共有のみで完結します。

また、一度URLを共有すれば、その後も永続的にレポートを共有できることも、大きなメリットです。

特に今回のように、保護者のみなさまごとに別のレポートを、長期間にわたり同じフォーマットで共有するケースでは、Googleデータポータルは最適なツールだと感じています。

また、スプレッドシートもブラウザベースなので、Chrome内でタブを切り替えるだけで、両者をシームレスに移動しながら作業を進めることができ、この点でもとても便利です。

データの保全性が高い

データを共有する方法としては、表計算アプリケーション自体を共有する方法もありますが、リスクも多いです。

  • 閲覧者がデータを変更・消去できてしまう
  • これを防ぐための、セルに保護をかける手間がかかる
  • 保護をかけないセルに意図しないデータが入って動作不良を起こす

Googleデータポータルを通すことで、もとのデータには触れずに、必要な分析結果のみを共有できます。

データの保全性を保ったまま関係者と情報を共有することができる、という点は、実用的なメリットに感じました。

真のEdTechを目指して

EdTech = 教育(Education) × テクノロジー(Technology)。

EdTechという言葉には、ただテクノロジーツールを教育に取り入れるという意味ではなく、
テクノロジーによる教育の変革という意味が込められていると、我々は解釈しています。

フラッシュ暗算のように実際に練習に使うものであっても、
そろばんデータポータルのように生徒の目に見えない裏側の仕組みであっても、

テクノロジーの導入によって、生徒たちの実力向上の仕組みを変革することこそが、そろばん教室としてのEdTechだと考えます。

そのために必要なテクノロジーは積極的に活用して、今後もさらにEdTechを推進していきます。

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