お子様からレポートを渡された保護者のみなさまは、
- そろばんのことはよくわからないし…
- どこを見たらいいの?
- 子どもにどう声をかければいいの?
このように思われる方が多いかと思います。
この記事では、保護者のみなさまに向けて、そろばんデータポータルの活用方法、特にお子様とのやりとりについて解説していきます。
そろばんデータポータルそのものについては、以下の記事からご覧ください。
レポートの内容をおさらい
そろばんデータポータルのレポートには、以下のような内容が載っています。
1枚目(紙で配付、オンラインでも確認可)
- 1か月に解いたプリントの点数
- よくできた問題パターン/ニガテな問題パターン
- 過去4か月の平均点の推移
- 教室からのコメント
2〜4枚目(オンラインでのみ確認可)
- 各種目のスピード、正答率
- 問題パターンごとの題数、正答数、正答率
- 間違い方パターンごとの誤答数(推察)
- ニガテな問題パターンの例題
プリントの点数だけでなく、一問一問ずつ詳細に解析したデータをもとに、実力向上のために必要な数値を表示します。
また、数値データだけでなく、教室での様子もコメントに含めていますので、そろばんのことはよくわからないという保護者のみなさまでも、お子様の普段の様子を把握することができます。
そろばんデータポータルのレポート内容の詳細については、以下の記事からご覧ください。
最初に「やらないこと」
活用方法をお伝えする前に、まず「やらないこと」をお伝えします。
それは、出来が悪かったところから話題にすることです。
たとえば、お子様が持って帰ってきた学校のテストが90点だったとき、次は100点を取ってほしい気持ちから、「どこを間違えたの?」という声かけから始めてしまうことはないでしょうか。
子どもとしては、できた90点の方をもっと見てよ、という気持ちになっているかもしれません。
このようなすれ違いがあると、お子様が勉強のモチベーションを上げるのは難しいでしょう。
そろばんデータポータルの目的は、より早く、より確実に、お子様のそろばんの実力を伸ばしていくことです。
そのためには、解析データから見えてくる弱点を克服する必要がありますが、その前に、そろばんに対するモチベーションを高めることも、それ以上に必要なことです。
初めにマイナスポイントから伝えてしまうと、できたところをほめてモチベーションを高めるタイミングを失ってしまいます。
- まず、できたところをほめる
- 次に、今の弱点についての気づきを得る
- その後、弱点を克服するために練習する
- 練習の結果を確認する → 1にもどる
このサイクル、ぜひ意識してみていただければと思います!
そろばんデータポータルは、かじつオリジナルの仕組みですので、このサイクルの中で最大限活用できるように工夫されています。
ここからは、具体的なオススメの活用方法についてご説明していきます。
オススメの活用方法(ほめる)
コメントを活用する
コメント欄の文章、実は3つに分かれています。
この内容は、先ほどのほめる→気づく→練習する、のサイクルに合わせたものです。
最初の「ほめゾーン」には、解析データから見えるほめポイントだけでなく、教室での様子なども含めて、そろばんの練習に取り組む姿勢全体について、良いところをコメントしています。
まずは、この内容をお子様に伝えてあげてみてください。
保護者のみなさまが見たことのない、教室での姿があるかもしれません。
点数の上がった種目をほめる
レポートには、1か月間のプリントの点数がすべて載っています。
また、過去4か月間の平均点の推移も、グラフで示されています。
周りよりも進みが遅かったり、合格ラインに届いていなかったりしても、
本人の中で成長しているところがどこかにあるはずです。
一回の点数だけではなく、成長をほめられることで、「また成長したい」というモチベーションにつながるはずです。
種目間で比較してほめる
新しい内容を練習している種目(特にかけざんわりざん)は、なかなか点数につながらないこともあります。
一部の種目の点数が伸びないからといって、そろばん全体に対するモチベーションが下がってしまうのは、もったいないことです。
レポートの1枚目では、かけ・わり・みとりの点数がグラフで表示されていますので、
どの種目が比較的高いかや、点数が落ちていないかをひと目で把握することができます。
点数が落ちないということは、当たり前のことではなく、これまで練習を積み重ねた成果です。
「この種目はできているね」とあらためて伝えてあげることも、大事なことではないでしょうか。
スピード、正答率を個別にほめる
レポートの2枚目以降には、各種目のスピード、正答率の情報が載っています。
スピードとはどれだけ速く計算できたか、正答率とはどれだけ正確に計算できたかをあらわす指標ですが、
どちらかだけに偏っても、良い点数にはなりません。
ですが、もしどちらかに偏っているのなら課題は明確であり、今後の練習方針は立てやすく、成長につながりやすい、ということになります。
そのためにも、まずは「スピードは問題ないんだね」「正確に計算できているね」と、できているところを伝えてほしいと思います。
問題パターン、間違い方パターン間で比較してほめる
そろばんデータポータルで数値化しているのは、各種目の点数だけではありません。
問題の特徴をパターン化して、そのパターンごとの回答数、正答数を記録しています。
また、間違えた問題は、どのように間違えたかの原因を推察して、これも間違い方のパターンとして記録しています。
このデータは、レポートの2枚目以降で確認することができます。
少し高度なほめ方になりますが、どんなパターンの問題は良くできたのか、どういう間違い方を「しなかった」のか、という観点でほめることもできます。
1枚のプリント、一問一問の内容を見るだけでは、偶然性が高く、そこから練習方針まで立てることはむずかしいですが、
一定期間のデータを積み重ねて、傾向として把握しているため、生徒一人ひとりに的確なコメントができるのです。
オススメの活用方法(気づき)
ただ点数が低い・上がらないことだけを指摘しても、お子様のモチベーションは高まりません。
「自分はそろばんをがんばっている」と思っている子ならなおさらです。
レポートをじょうずに活用して、お子様が練習に向かうサポートをしていただけると大変うれしいです。
コメントを活用する
くり返しですが、レポートの1枚目にあるコメントは、以下の内容になっています。
「ほめる」のときと同じですが、「気づき」こそ特に、コメントを活用していただきたいです。
親から子へマイナスのことを伝えて、親子の関係が対立的・主従的になってしまうのは好ましくありません。
コメントの2段目には現状で足りていないところ(のびしろ)、3段目にはこれを踏まえた今度の指導方針を記載しています。
「先生が言っている」という言い方をしていただいて全く構いませんので、この内容をそのままお子様に読んであげてみてください。
ニガテな問題パターンを知る
コメントは、スペースの都合もあり、のびしろの一部しか記載できていません。
その他ののびしろは、レポートの2枚目以降の問題パターンごとの正答率や間違い方のパターン(推察)で確認することができます。
「かけざんの点数が取れない」とひと口に言っても、その原因はさまざまです。
その原因を、詳細なレポートから客観的に把握できるようになっています。
お子様の練習結果を見て、冷静に伝えて励ましてあげることは、保護者のみなさまができる大きなサポートだと考えます。
2020年12月以降は、ニガテとするパターンの問題を集めた対策プリントを、レポートと一緒にお渡しします。
おけいこの時間に対策プリントを解いたり、宿題として持ち帰ることができるようにもしますので、こちらもご活用ください。
期間設定を変えてみる
オンライン版レポートの良いところは、保護者のみなさまご自身でデータを再集計できるところです。
そろばんデータポータルでは、集計するデータの期間を自由に設定できるようになっています。
初期表示は先月1か月分のデータが表示されていますが、この期間を設定することで、過去のデータも表示することができます。
特に、なかなか検定に合格できず、足踏みしてしまっている場合、過去のデータも見てみて、何が良くなり、何が良くなっていないのか、分析してみることをオススメします。
少し高度な分析になりますが、そろばんのスキルが無くてもできる分析ですので、いろいろ試してみてください!
お子様の成長のために、フル活用を
そろばんデータポータルは、お子様の実力をより早く、より確実に伸ばすことを目的に作られたものです。
さまざまな数字が並ぶことで、できていないところを責めたくなってしまいがちですが、そこをグッとおさえて、
お子様の成長を促すイメージで、レポートをご覧いただいたり、お子様にお声がけいただけますと幸いです。
「子どもが親の言うことを聞かない!」ということでしたら、教室から指導しますので、遠慮なくお伝えください。
また、レポートの内容についての質問、上達のためのご相談などは、LINEにて随時受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
ご紹介した方法以外にも、みなさまご自身でいろいろな見方を試していただくなど、そろばんデータポータルをフル活用していただけたら幸いです。